上海 B級グルメ・レポート〜 その2 〜


4.葱油拌麺と羊肉湯
  
 今回も「清真」(イスラム)料理から始めましょう。
 前回は牛肉を使った麺をご紹介しましたが、今回は「イスラムと言えば?」
 そう、羊です。
 
 「老街」のメインストリートを入ってすぐ左側にこのお店はあります。
 入口付近こそ店の外にテーブルがはみ出し、お世辞にも綺麗なお店とは言いがたいのですが(看板は異様に立派!因みにその書体は日本から入ったいわゆる勘亭流という字体なのですが、妙に好まれています。老頭麺館というのは、日本語に訳すとさしずめ「じじいラーメン」というところでしょうか)、隣の店の2Fの権利を買い取り拡張したようで、毎朝お客が引っ切り無しに麺をすすっている人気店なのです。

 右側の写真がこの店の朝の定番、葱油拌麺と羊肉湯のセットメニューです。
 葱油拌麺とは「葱油そば」のことで一時日本でも流行しましたから、召し上がったことのある方も多いかもしれません。茹で上げた麺をネギ油と醤油であえるだけの極めてシンプルな麺ですが、これも上海ならではの麺です。干しエビが三つ四つ入っているのが、味のポイントになっています。

 そして何と言ってもこの羊のスープがこの店の朝の主役です。肉だけの羊肉湯、臓物だけの羊肚湯、いろいろ入った羊什湯と、三種類ありますが、食べた後も羊の匂いが口元からなかなか消えてくれません。羊好きには忘れがたい一品です。

 店によって使用する羊に匂いの強弱があるようで、このお店の羊肉の匂いはかなりきついようです。もしかしたらそこがこのお店の人気の秘訣?でしょうか。

5.老鴨油豆腐粉糸湯と鹹菜肉糸麺
  観光客も地域住民も多く集まる豫園周辺だけに新しいお店もドンドン出来て行きますが、「新天地」など現代風の観光スポットとは全く違った、昔ながらのお店が新しく開店するのも豫園周辺の特徴でしょうか。 
 
 





 “老舗”の既存店にはまだまだ追い着くべくもなく、お客さんも少なめでしたが、一度行ってみようと言うことで飛び込んで注文してみました。
 老鴨油豆腐粉糸湯は、アヒルのスープの中にアヒルの臓物、血を固めたもの(鴨血)、それに油揚げと春雨が入ったものです。油豆腐粉糸湯は上海で好まれ、一方鴨血湯は南京名物、両者を合わせたようなものでした。店の人も上海の人ではなく、南京か安徽の人のようでした。
 味はまずまずといったところでしたが、2階ではお茶を飲むことが出来そうなので、もう少し頑張って生き残っていって欲しいなぁと思うお店です。

 左の写真のように、店頭では鍋貼(焼き餃子、4個で2元)も売っています。餃子自体、上海ではどちらかというとマイナーな食べ物ですが、この焼き餃子も、日本のものとは味が随分違います。中に入っている餡の味付けは、包子のものと大差ありません。





6.小籠包子
 左の写真はお馴染み小籠包子です。しかも「南翔饅頭店」のものです。レポート1の「生煎饅頭」のところで書くべきことでしたが、北方で「饅頭」といえば、餡の入っていないものを言いますが、上海でいう「饅頭」は北方でいう「包子」のことです。ですから、「小籠包子」は、標準語ないし北方での言い方であり、上海では「小籠饅頭」となるわけです。屋号が「饅頭店」であるのは、そのためです。

 「おいおい!南翔がB級グルメ?」と仰られる方もおられることと思います。

 確かに南翔はA級です。
 しかしここで取り上げたのはそれなりの理由があってのことです。

 声を大にしていいたいことは「南翔は早いうちに行け!」

 「南翔饅頭店」は豫園周辺のレストラン(含 小吃店)の中では1,2を争う人気店でありながら店が非常に狭く、平日でも昼時なら行列は当たり前です。

 「セットメニューのコーナーは空いてますよ」などと店員にそそのかされたら最後、奥の部屋に通されて小籠包子以外の小吃も含めて50元也、しかも味の方は今ひとつという目にあいます。(ちなみに上の写真は一籠15元)
 小籠包子だけ食べたいのにこれでは勿体無い話しです。

 では何時行ったらゆっくり小籠包子を味わうことができるかと言うと、それはズバリ早朝です!
 南翔饅頭店は朝7時30分の開店で、どこかのファースト・フード店のように朝メニューは通常メニューと全然違う、なんてことは決してありません。朝から普通に小籠包子を食べることが出来るのです。(だいたい「小籠」なんて元来朝のメニューでしょ!?)

 以上の説は三脚猫さんが何年も前から提唱されてきたことで、今回も実践しました。食事の際にはビールまで飲んで、8時半開園の豫園に一番乗り、コブシの花や芽吹きだした柳を見ながらお散歩と、まさに「この世の春」を謳歌した次第です





 ちなみに上の写真が豫園の白玉蘭(コブシ)の花。日本のコブシの花とは、随分かたちが違います。こうした植物まで、その姿かたちが中国的に感じられるのは、どうしてなのか、常々不思議に思います。中国的な美的感覚に照らして品種改良されたのだ、と言えばそれまでのことなのですが。

 最近はこの早朝観光プランがどうも浸透してきたようで、8時頃には南翔のテーブルが埋まり、豫園も開園すぐに何組もの日本人団体客で賑わっておりました。
 
 「南翔饅頭店」も豫園も指折りの観光スポットですから、印象に残ったのは人の多さばかりという方も多いかと思いますが、朝一番に行くと、全く違う魅力があります。
 
 

7.徳興館で朝食

 徳興館は上海料理の老舗で、特にナマコを煮込み料理が有名なA級グルメ御用達の名店ですが、早朝から1Fが開店しており、上海特有の朝餐をリーズナブルな値段で食べることが出来ます。

 左は私が注文した魚香肉糸麺です。これまで食べたあっさり風のだしとは違い、甘辛い魚香肉糸がのっかった比較的“濃い〜味”の麺です。 

 関西人の割には濃い味系の私は美味しく頂きましたが、すこしくどい後味がするのは好き嫌いがあるかもしれません。
 一杯5元。他の店と価格的には同じです。


 右側の写真は上海名物の両面黄。いわゆる固焼きそばです。
 両面をかりっと焼いて、餡をかけたものですが、ここのは餡に蝦仁(むきエビ、川エビです)や蟹黄(上海がにのミソ)が入っているせいで、非常に値段が張ります。
 一皿25元。朝ごはんに食べるようなものではないのですが、メニューにちゃんと載せてあるところを見ると、我々のように注文するお客さんがいるんでしょうね。
 ちなみに徳興館だけでなく、他店でも同じ値段でした(価格協定でもあるのかしら?)

 食した三脚猫さんの感想は「やはり、朝に食べるものではありません」とのことでした。 残念!

(続く)

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