江南水郷 烏鎮レポ〜 その1 〜


 1.烏鎮への道のり

 烏鎮は上海から南西に140km、杭州から北東に80km、左の地図では少し判りにくいですが、浙江省桐郷市に属します。

 中国では経済発展によって生活に余裕が出てきたため、旅行ブームが起こり、特に都市圏から近隣の日帰りできる範囲の町に注目が集まっているようです。
 
 江南地方では言うまでも無く、運河に沿って白壁の家が建ち並ぶといった景色がトレードマークの、古くからのいくつかの町が有名です。これらの町は「水郷古鎮」と称されて、数多くのガイドブック、研究書が出版されています。

 上海では朱家角、江蘇では周荘、同里などが有名ですが、いずれもこの近年観光地化がはなはだしく、本来の風情が失われつつあるようです。しかし烏鎮はまだまだ昔ながらの風情が色濃く残っているとの評判で、日本からもパックツアーが組まれる程です。

 さて、今回なぜこの烏鎮に行こうかということになったかと言うと、この烏鎮には江南地方唯一の皮影戯(影絵芝居)が残っており、しかも毎日上演しているらしいという情報を三脚猫さんが得て、今回の旅行は比較的時間もあることだし一度行ってみようということになったのです。

 情報によると上海体育場のバス乗り場から週末ごとに直通バスが出ているらしいのですが、これだと日程が合わないので結局タクシーをチャーターすることにしました。
(日本に帰ってきて調べたところ平日でも1、2本直通バスが出ているようですが週末は増発されているようです。)

 3月31日、天気は快晴です。午前8時30分に出発。
 タクシーの運転手さんによると2時間ほどで着くということでしたが、市内ではラッシュアワーに引っかかり、また桐郷から烏鎮までの道で迷いに迷い、3時間ほど掛かってやっと到着。
(タクシーの運転手さん、見ている地図が「全省地図」。ちょっと大胆すぎるんじゃないですか?中国の運転手さんは、行ったことのない土地に行くのを嫌がりますが、細かな道路地図があまりない、あるいはあってもきちんと読めない!?ことが原因であるようです。)

 到着してみると、街の入口には町の名前を記した立派な建物と大きな駐車場。
 その駐車場には、タクシーや自家用車、上海、浙江、安徽ナンバーの大型観光バスがひっきりなしにやってきます。
 ここで入場料(入鎮料?)を払いチケットを購入します。各館の入館料込みで120元也。結構な金額ですね。
 
 前評判ではあまり観光地化されていないとのことでしたが、どうして相当立派に観光地と化しているようです。

2.烏鎮の街並み
 それでは烏鎮の町に入ってみましょう。
 
 一歩中に入ると、そこは別天地。まるで映画のセットです。
 まさに「江南水郷」の世界が広がっております。
 
 丁度芽吹きだした柳の枝がそよそよ春風にゆられて、風光明媚な雰囲気をかもし出しています。

 烏鎮は京杭大運河に四方を囲まれて、そこへと繋がるクリーク(「東市河」と呼ぶらしい)が町の中に大きく横たわっています。
 この町が最も栄えたのは、運河のできた唐代だそうで、それ以降は幾度も戦乱にさらされてきたそうです。
 
 右の写真、クリーク沿いに見えるいかにも生活臭の漂う家並みは東大街と言って烏鎮の一番の見所でありながら、実際に人々が住み、普通の生活を営んでいるのです。

 「生活臭」と言えば、丁度我々の手前のクリークを利用し、洗濯をするおばさんに出くわしました。




 左の写真が東大街の街並みと石畳です。

  家の中には“チョコン”と座ったおばぁちゃんがこちらを眺めていたり、せわしなくご飯を掻き込んでいる家族の姿などが目に入ってきます。
 
 家並みは多少は補修され綺麗に整えられてはいるものの、基本的には昔の家並みをそのままの形で残しているといった感じで、非常に好感が持てます

 家並みの中に民俗館や江南百床館(ベッドの博物館)、近現代の文学大家、茅盾旧居などが立ち並んでいますが、その中に公生糟坊という酒造所がありました。

 一歩中に入ると麹の香りがプーンとしてきて思わずごくりと喉が鳴ります。 
 浙江省のお酒だから醸造酒の黄酒系かな、と思われるでしょうが、蒸留酒の白酒でした。

 左の写真、上はお酒を入れる甕でしょうか、醸造所の軒先にずらっと並べられており、その奥には蒸留設備があり(下の写真)、実際に火が焚かれてポタポタとお酒が出来上がってきます。

 ここでは試飲の上、出来立てホヤホヤ?のお酒を購入することが出来ます。
 ちなみにこのお酒は『三白酒』というブランドで烏鎮の町中で売られています。

 さて、我々もそろそろお腹が空いてきたので昼食を取ろうということにしたのですが、町の地図を見たところレストランが3軒しか書かれていません。

 どこの店に入ろうかと悩んでいるうちに、この東大街を通り抜け、入場料を払った「有料区域」が終わってしまい、戯台や道教寺院のある町の広場に出てしまいました。

 そこには雑然としているものの活気ある烏鎮の普通の街並みが出現し、レストランなど数多く立ち並んでおり、客引きの声が飛びかっています。
 比較的繁盛していそうな店を選んで昼食を取りました。

 全くの不覚でしたが、この時の昼食の写真を一切撮影せずにおりました。相当お腹が減っていたのでしょうか?
 食べたのは、紅焼羊肉、昂刺魚(日本でいうギギの仲間)などです。

 慌てて店先で撮った写真が『紅焼羊肉』です。羊の骨付き肉を甘辛く、軟らかくなるまで煮込んだ料理です。
 骨から肉がポロッと取れ、筋の部分も大変軟らかく、羊好きにはお薦めの料理でした。
 
 食堂の向かいには何故か『毛沢東思想大学校』なる文化大革命中の“遺産”が残されており、烏鎮の町の結構な名所になっているようで、中国人ガイドさんがこの建物の前で立ち止まっては説明をしているほどでした。

 さて、今回は申し訳ありませんがこのあたりで終わりです。
 次回はいよいよ皮影戯と桐郷花鼓戯についてのレポートです。


(続く)

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